NO!羽根!NO!ふとん!~ポーランド視察・買付の旅その4~
2016年4月30日
さてさて、そんなこんなでようやくこちらに到着~。
と言っても1日目に宿泊したホテルの奥にあります、
略してPPPP社。ヨーロッパでもトップクラスの会社です。
しばしお茶もいただき。
さて、色々な国の羽毛が集まるPPPP社内部へ、潜入~~~!
下から風を送り込み吹き上げます。
静電気を抑えるため木造ですね。
高さ11m程の箱(この高さクラスはかなりハイクオリティな選別機との事)の中では
青森で降る『どか雪』の様に羽毛や羽根が舞いあがっております。
お客様の中にはたまに、羽毛ふとんと、羽根ふとん、何が違うの?という方がいらっしゃいます。
羽毛(ダウン)とは鳥の胸元についている、タンポポの綿毛の様な形で、
ふわふわと柔らかく、保温力がありふとんに適しています。
羽根は、赤い羽根募金をした時にもらう、軸のある形をイメージして頂くといいかもしれません。
湾曲した羽軸を持っていて弾力があり、おもにクッションや枕などに使われます。
羽毛が50%より多く入っているなら『羽毛ふとん』、
逆に羽根(フェザー)が多く入っている『羽根ふとん』はきちんとした専門店では取扱う事はないです。
(選別の方法上、どうしても小さい羽根・スモールフェザーと呼ばれるものは10%前後入りますが、表示に記載されてます)
話は戻りまして、11m程の箱の後ろに連なる4~5室に仕切られている部屋は、上部だけ仕切りが開放されていて、
送風によって舞い上がった羽毛が軽さで選別されていきます。
より軽く良質な羽毛は奥の部屋に、羽毛より重さのある羽根は手前の部屋で落ち、選別されていきます。
良質な羽毛はより奥に、と表現しましたが厳密に言うと、一番軽い部屋はファイバーと呼ばれる、もっと軽い
羽毛が切れてしまった状態の不良羽毛や塵などが集まる為、
奥から2番目の部屋が一番良質なダウンという事になります。
一次選別の後に洗浄。環境にも優しい洗剤で、原毛そのものの油脂分やアレルギーのもととなる
塵やヨゴレ・ニオイなどをしっかり取り除いていきます。
品質によりこれを5回~6回繰り返し、輸出する国の定める厳しい基準をクリアする適正な処理を行ってました。
見えないところだからこそ、きちんとしっかり。とても大事な工程です。
こうしてダウンが本来持ち合わせている吸湿放湿・保温力などのパワーを存分に発揮してくれる、
選りすぐりのふわっふわのきれいなダウン誕生です。
これを入念にやっているのか、そうでもないかでも価格にも
お買上後の使用感にも反映します。
この工程を一回終えると全体の約15~20%位がダウンに選別されるそう。
そうなると、前日の水鳥農家の採取量から単純計算すると
シングルサイズ1枚の羽毛ふとんを作るには
20羽以上採取しなければいけないって事!?
これは、きちんとした原毛やしっかりとした工程をふんだ品質の羽毛ふとんは
それなりの価格がするのも頷けるのではないでしょうか?
~その5~に続く