カード打ち機は、髪をくしですくように、かねの針でわたを少しずつ平行に伸ばしてゆき、薄いシート状にしていきます。それを何層にも重ねふっくらしたわたを作り上げていきます。

何層にも重ねられたわたは、空気をたくさん含みふんわりと暖かく身体を包んでくれますし、お日様に干した後もふっくらしやすいのです。

ご注文いただいた、柄、サイズ、重さ、わたの種類により、一枚一枚丁寧にわたを側生地に入れていきます。
大きな工場で行われている機械でのわた入れとは違い、わたを縦横交互に敷いて入れていくため、使用している間にわたが割れたりすることが無く長く気持ちよくお使いいただけます。

側のわたを入れた口を縫い閉じます。仕上げに中わたと側生地が崩れないように布団を綴じていきます。絶妙な力加減できつ過ぎず、弱すぎず熟練の技が光ります。

わたのお布団は、古くなりぺちゃんこになってもまだまだ使えます。お天気のいい日にお日様にあてるとふっくら気持ちよくお休みいただけます。ですが、わたの中まではなかなか洗えるものではありません。
　
わた布団の打ち直しには、お預かりしたお客様のお布団から側生地をはがし、中のわたを上記のわた打ち工程にて、ぺちゃんこになったわたをふっくら新品のように打直し、新しい側生地に詰め直すことを言います。
　
心配なダニやカビ、湿気などもオゾン処理と熱風処理で対応できますので、ご安心いただけます。

毎日使用するお布団で、概ね掛けふとんは4～5年、敷ふとんで3～4年で打ち直しをお薦めしています。
　
また、お客様からお預かりしたお布団は一件分ずつ伝表を付けて、個別に綿打ちして仕上げていきますので、他のお客様のわたと混ざる心配はありません。
　
お客様からお預かりするわたの中には、状態によって、わたの打ちあがり具合が良くても、すぐにぺちゃんこになってしまう繊維の短い物もあります。
　
その場合、化繊わたを混ぜる加工をお薦めする場合もございます。一度化繊を混綿したわたでも、また打ち直しをすることもできますので、ご安心くださいませ。